今月の主題 肝硬変—今日の視点
検査でどこまでわかるか
肝シンチグラム
河田 肇
1
1大阪労災病院・内科
pp.870-872
発行日 1974年7月10日
Published Date 1974/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205485
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はじめに
シンチグラフィーという検査は,本来,放射性同位元素を利用して,臓器のかたちを,マクロのレベルで非観血的に表現しようとする方法である.したがって,かたちの変化をきたすような疾病,たとえば肝臓の場合は,肝癌や肝膿瘍のような限局性病変の診断に用いられ,その意義が認識されていた.しかし,シンチグラムの画像をより詳細に検討したり,経時的に追及するか,あるいは画像集積にいたる過程を計数表現し,さらに分析することによって,肝硬変のように,肝臓をびまん性に侵す病変に対しても,その病態診断や予後推測に役だつ情報を提供できることがわかってきた.以下,筆者らの成績を中心に,肝シンチグラムの診断限界を展望しよう.
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