今月の主題 最近の老人病—臨床とその特異性
総論
老人患者の扱い方
相澤 豊三
1,2
1立川病院
2慶大
pp.2044-2047
発行日 1973年12月10日
Published Date 1973/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205211
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人によって異なるが,一応65〜75歳という一定の年齢的な幅をもうけて,それ以上を老人といったらよいであろうが,それはあくまで歴年齢で,人生を人為的に区切ったものである.そのような時期には多くの人が疾病の危機に直面し,死は近きにありとの危惧感に襲われ勝ちであるが,中には老年期に至っても,肉体的に表面上老いの衰えをみせない人もいる.でも経る年の歩みは確実に肉体の奥の方で秘かに爪をといで,やがてきたるべき消耗の時を待っているのは事実である.注意すれば,その気配は自分でも気づくはずであり,また現今行なわれている臨床検査を以てすれば,そのきざしを嗅ぎわけることはある程度可能であるのである.そのような状態にある老人患者をどのように取り扱うかというわけであるが,大まかに次のような項目に分けて述べてゆきたいと思う.
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