特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
血液生化学検査
蛋白
IgE,アレルギー特異的IgE抗体,アレルギー特異的IgG抗体
圖子 瞳
1
,
東田 有智
1
1近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科
pp.142-143
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104718
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義1)
IgEは,B細胞から産生され,肥満細胞・好塩基球と結合してアレルギー反応(GellとCoombsの分類によるⅠ型アレルギー)に携わる抗体である.IgEはかつて寄生虫に関与する免疫反応にかかわっていたが,寄生虫が稀になった先進国では,気管支喘息,アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患に関与する.IgEは肥満細胞や好塩基球上の高親和性IgE受容体(FcεRI)に結合し,抗原(アレルゲン)が侵入するとFcεRIと抗原が結合後,架橋し,活性化される.その後,数分~数十分でヒスタミンなどのメディエータを放出する.IgEの血中半減期は短く(約1~5日),持続的に血清総IgE値が高い理由には諸説はあるものの,一定の見解は見いだされていない.
IgGはGellとCoombsの分類によるⅡ型,Ⅲ型アレルギーに関与する.Ⅲ型アレルギーでは,特定の抗原を認識するアレルギー特異的IgGと免疫複合体を形成し,補体を活性化し,オプソニン化することにより貪食作用能を強める.
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