グラフ
膠原病と肺—II.結節性動脈周囲炎(PN)/III.進行性全身硬化症(PSS)
萩原 忠文
1
,
堀内 篤
1
1日大第1内科
pp.60-65
発行日 1972年1月10日
Published Date 1972/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203968
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PNにおける肺病変は35-50%に認められるが,おもに気管支動脈領域の血管閉塞であり,肺動脈に病変がおよぶこともある.臨床症状としては呼吸困難,胸痛,せきなどが多く,ときに喀血あるいは血痰がみられる.約20%の症例は気管支喘息様症状を呈するといわれている.Roseらは本症の肺血管病変の起こり方として肺炎型,気管支炎型,喘息型の3型をあげている.これらの肺病変は他の臓器よりも先におこることがあるので,胸部X線像の読影は大切である.すなわち,心陰影拡大,胸水貯溜,肺門影増大,血管影増強の他に,"pulmonarybive"とよばれる小斑点状陰影が肺野の辺縁部ないし基底部にみられることがあり,また"bastwing shadow"とよばれる血管走行に無関係なびまん性陰影をみることがある.本症では一次的あるいは二次的に心不全を合併することが多いため,これが肺所見を修飾することがあり,肺水腫像を認める例もある.HinshawらはPN 28例の胸部X線像の所見について表のように分類している.
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