特集 小児の心身症~いま改めて心身相関を考える~
各論:診療の実際
アレルギー疾患―気管支喘息,アトピー性皮膚炎
小林 茂俊
1
KOBAYASHI Shigetoshi
1
1帝京大学医学部小児科・小児アレルギーセンター
pp.1011-1016
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000968
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はじめに
気管支喘息(bronchial asthma:BA),アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)は代表的なアレルギー疾患で,小児の有病率は高い。この2つの疾患は,ストレスや心理社会的要因が疾病の経過や難治化に関与すること,疾患自体が心理的な悪影響を及ぼすことが知られている。ただし,心因が影響するのは主に増悪因子としてであって,BAやADの病因とまではいえない。かつてBAとADは,Holy Sevenとよばれた古典的心身症であるとされてきたが,ほとんどの疾患が心理社会的因子の影響を受けることが判明している現状では再考する必要があるだろう。実際,GINA(Global Initiative for Asthma)では,major psychological or socioeconomic problemsは増悪因子であるという記載と同時に,BAはpsychosomatic diseaseではないとも記されている1)。
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