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特集 なかなか治らない厄介な咳
《各論:主要な原因疾患の病態,症状,検査所見,治療の実際》
気管支喘息,アレルギー関連疾患—咳喘息,アトピー咳嗽,喉頭アレルギーなど
Asthmatic cough and allergic cough
松本 久子
1
Hisako Matsumoto
1
1近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科学教室
キーワード:
咳喘息
,
喘息性咳嗽
,
アトピー咳嗽
,
喉頭アレルギー
,
咳過敏症
Keyword:
咳喘息
,
喘息性咳嗽
,
アトピー咳嗽
,
喉頭アレルギー
,
咳過敏症
pp.1096-1099
発行日 2025年12月20日
Published Date 2025/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091434910970131096
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POINT
●咳喘息は,喘息性咳嗽に含まれるが,喘鳴や息苦しさを伴わず,検査所見も正常内のことが多いため,他の慢性咳嗽の原因疾患との鑑別が難しい。気管支拡張薬による鎮咳効果,深夜・早朝の咳嗽,冷気で誘発される咳嗽の有無などにも留意して診断を絞っていく。
●アトピー咳嗽は喉頭アレルギーに類似の咽喉頭異常感を呈し,ともにヒスタミンH1受容体拮抗薬が有効だが,後者はⅠ型慢性アレルギーがもたらす病態の総称と位置づけられる点に注意する。
●喘鳴や呼吸困難,胸苦しさとともに咳嗽を呈する典型的喘息や,他症状もあるが咳嗽が主体の咳優位型喘息の場合,気道平滑筋収縮を介した咳嗽と咳過敏症が背景にある咳嗽の両者の関与を考慮する。また併存する胃食道逆流症や上気道疾患による咳嗽の可能性もあり,treatable traitsを意識して治療する。

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