臨時増刊特集 身体所見のとり方と診断のすすめ方
●身体所見のとらえ方
VII.腹部
1.内科の立場から
安部井 徹
1
1東邦大第2内科
pp.804-814
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203667
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腹部の視診
視診上の注意 長いゴムの聴診器に象徴されるように,わが国の診察態度には,患者と医師との間に常に一定の距離がある.そしてわが国の医師は,従来患者の細かな所見よりも全体から受ける漠然とした印象から疾病を洞察するという方に重点が置かれていたように感ぜられる.
患者を診るには,一定の距離を置いて全体を把えることも大切である.しかしまた同時に患者を色々に動かして観ることも大切であり,医師もまた患者のまわりを歩き回って観察せねばならない.診る角度や光線のあて具合も工夫立なければならない.
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