臨時増刊特集 身体所見のとり方と診断のすすめ方
●身体所見のとらえ方
VI.胸部
4.肺
光永 慶吉
1
1医歯大第1内科
pp.797-803
発行日 1971年5月20日
Published Date 1971/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203666
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呼吸器病診療と胸部の理学的検査
1)"打聴診"は呼吸器病診断の第1歩である.問診によって得られた自覚症状をもとに,対象疾患を肺にしぼって,検査を進めて行くことができる.また全身性の系統疾患ではとくに肺に変化が現われることが多く,あるいは他臓器疾患でも肺合併症は少なくない.これをとらえるもっとも手近かで容易な手段は胸部の理学的検査である.
2)X線像と順合して病変の実像をかなり浮き彫りにすることができる.X線像はあくまで病巣の"かげえ"であって実物ではない.たとえば,聴診所見は病巣の滲出性変化,あるいは局所換気状態と符合し,X線像と組み合わせれば病勢の判断に資するところが大きい.
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