今月の主題 腎疾患のトピックス
腎炎の分類
内科の立場から
大野 丞二
1
1順大・内科〈腎〉
pp.1110-1112
発行日 1974年9月10日
Published Date 1974/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205555
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臨床の立場からの腎炎分類の歴史
臨床の立場から見た腎炎の分類に関しては,古くはVolhardおよびFahr(1914)1),Longcope(1937)2),Ellis(1942)3)らの分類が古典的価値を有し,Elhsの弟子のWilsonがEllis分類を修飾してWilson分類(1967)4)を発表し,急性発症を示さないI型腎炎を加えたが,これらの分類が臨床的には急性腎炎・慢性腎炎・ネフローゼ症候群の概略の位置づけには役立っても,種々雑多な原因により惹起する急性および慢性腎炎の病因の解析にはあまり役立たず,腎炎の合理的分類をいかにすべきかは腎臓病学にたずさわる者にとって最大の関心事であり,かつ最も困難な命題である.病理組織学的に1966年New Yorkで行なわれたNomenclature,Definition & Classification of Renal Diseaseのカンファレンスで糸球体病変を中心に新しい病理学的分類が試みられ,これが前進の第一歩となり,臨床的にもてれをある程度取り入れた大島分類5)が1968年大島研三教授により発表され,本邦では主としてこの分類に準拠して疾患分類が行なわれている現状である(表1).
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