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二重盲検法
佐藤 倚男
1,2
1東医大精神神経科
2東大
pp.1475
発行日 1970年9月10日
Published Date 1970/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203344
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二重盲検法とは,患者に何が与えられているのかを,医者も患者も解らないよう工夫した比較試験法である.医者,患者の双方が中味を知らないので二重盲検(double blind)という.いっぽう医者のほうは薬の中味を知っていて,患者だけが知らぬやり方(single blind)は鎮痛剤や眠剤をたびたび要求する患者に対し医師が昔からよく使う.
二重盲検比較試験を行なうには,統計学のベテランである必要はないにしても,統計学の基本的考え方はしっかり身につけていなければならない.またすでに良い治療法や,効くと思われている薬があるのに,新薬群とプラセボ群を比べるのは人道上ゆるされない.プラセボ(偽薬,虚薬という訳は語の本来の意味からみてまちがっている)が使えるのはごく限定された条件のときだけであって,ふつうは,従来最もいいとされてる薬(標準薬)と比べる.
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