Japanese
English
研究と報告
二重盲検,逐次検定法によるPyrithioxinの効果について
Clinical Experience of Pyrithioxin by a New Method of Sequential Analysis
春原 千秋
1
,
藤沢 浩四郎
2
Chiaki Haruhara
1
,
Koshiro Fujisawa
2
1中央鉄道病院神経科
2東京大学医学部脳研究所
1Dept. of Neuropsych., Central Hosp. of J. N. R.
2Inst. of Brain Res., Fac. of Med., Univ. of Tokyo
pp.943-949
発行日 1967年12月15日
Published Date 1967/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201274
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Ⅰ.緒言
この十数年来いわゆる向精神薬の発達はまことにめざましいものがあり,各種の精神安定剤がつぎつぎと開発され,主として内因精神病の治療や看護のうえに,大きな進歩と革命がみられていることは周知のとおりである。しかしそれにもかかわらず,老人性疾患や,脳器質性障害のさいにみられる精神神経障害に対しては,いちじるしく有効といえる薬物はまだ得られていない現状である。すなわちこれらの疾患に対しては,単に精神安定剤としての作用のみでなく,脳循環改善を含めて,脳実質に賦活的,刺激的に作用する薬物が要求されるわけである。
ところでこの数年来,ビタミンB6の誘導休についての一連の研究過程から,Pyrithioxinが登場した。これはドイツのMerck社において合成されたもので,第1図のような構造式を有している。
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