メディチーナ・ジャーナル
今後の伝染病予防対策のあり方について—伝染病予防調査会の中問答申
Q
pp.1503
発行日 1970年9月10日
Published Date 1970/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203353
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総合的なアプローチに注目
この6月に,種痘の副作用が大きく新聞紙上でとりあげられ,国民の不安がかきたてられた.種痘後脳炎のような副作用は従来からあったもので,かくべつ新しい事実ではなかったのであるが,全くその事実を知らなかった国民にとって大変なショックであったことはまちがいない.そこでよりよきワクチンの開発がいそがれるわけであるが,そのことのほかに,感染症というものに対して総合的により安全で確実なアプローチをする姿勢が必要になる.
ところで種痘問題のあおりをうけて,あまり世間に報道されなかったが,同じ6月の15日に伝染病予防調査会が厚生大臣に対して行なった中間答申の内容は,ワクチンも含めて伝染病対策を総合的にアプローチしようとしている点で注目に値するし,その内容についてもっと論議されてしかるべきであろう.
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