Japanese
English
原著
二重盲検法によるClotrimazoleクリームの皮膚真菌症に対する治験
DOUBLE BLIND STUDY ON THE TREATMENT OF DERMATOMYCOSES WITH CLOTRIMAZOLE CREAM
高橋 伸也
1
,
香川 三郎
2
Shinya TAKAHASHI
1
,
Saburo KAGAWA
2
1東北大学医学部皮膚科教室
2東京大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
2Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.279-285
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201282
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全国10施設共同で,1%Clotrimazoleクリームの皮膚真菌症に対する治療効果を,二重盲検法を用いた偽薬との比較によつて検討した.治験対象は汗疱状白癬,体部白癬股部自癬,カンジゲ性指間糜爛症,癜風である.治療成績の統計学的解析は,臨床効果についてはχ2検定あるいはKolmogorov-Smirnov検定,菌陰性化についてはχ2検定あるいはFisher直接確率計算法によつた.その結果,臨床効果では体部白癬,股部白癬,カンジダ性指間糜爛症に,菌陰性化では汗疱状白癬を除く4疾患において有意差をもつてClotri-mazoleクリームの有効性が証された.副作用としては一次刺激作用が低率に認められたに過ぎない,外用抗真菌剤治験における二重盲検法の意義,必要性についてはさらに検討を要するが,治験対象として汗疱状白癬は適当といえない.癜風に対する薬剤の価値評値には症状の改善度よりも菌学的検査成績を指標とした方が望ましい.
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