症例 全身性疾患と消化器・9(最終回)
全身性疾患と消化器—まとめ
日野 貞雄
1
1胃腸病院
pp.102-105
発行日 1970年1月10日
Published Date 1970/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202950
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全身性疾患と消化器というテーマはいろいろな含みをもっている.たとえば糖尿病とか膠原病のときには消化管にはどのような変化が現われるかという問題もあれば,胃潰瘍の成因として注目されている中枢障害や肺気腫が実際に併発している症例も理論的な裏づけとして興味がもたれる.また消化器疾患と鑑別をせまられる他科領域疾患も診断過程では重視されなければならないし,症候群として他科領域の症状をあわせもつものもある.このほか,単なる合併症であるか,胃腸障害と有機的なつながりをもつものであるかの区別のつかない場合もある.
筆者はこのようなものをすべて含めた広い解釈で6回にわたり症例を供覧したが,(うち2回は村井先生におねがいした)症例の都合でのせられなかった重要疾患がたくさん残っている.たとえば,悪性貧血とか,膠原病性胃腸疾患などであるが,これらをまとめて述べておきたいと思う.
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