シンチグラムのよみ方・2
脳
鳥塚 莞爾
1
,
半田 譲二
2
1京大中央放射線部
2京大脳神経外科
pp.685-692
発行日 1969年6月10日
Published Date 1969/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202700
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1948年,Mooreが脳腫瘍の局在診断にRIを用いることをはじめて発表して以来,約20年の間に,この方面の研究の進歩にはめざましいものがあり,今日では,脳スキャニングは神経系の器質的疾患の補助検査法として,各種のレ線診断法とともに日常臨床上欠かせない存在となった.
シンチスキャナーあるいはシンチカメラにより,適当なRIを用いて行なった場合,脳腫瘍のスキャニングによる診断の精度は約70-90%である(表1,2).この数字は脳血管写,気脳写,脳室写などの診断率に比較すると劣るが,これらのレ線検査法,あるいは眼科的検査,脳波検査その他の補助検査法と脳スキャニングを組み合わせることによって,互いに盲点を補いあって診断率を著明に向上させることができる,さらに,脳スキャニングがなんらの危険をも伴わずに全く安全に行ないうる検査法であることを考えると,脳スキャニングの診断的意義は,いっそう大きいといえる.
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