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救急診療
大鈴 弘文
1
1東京警察病院
pp.182-184
発行日 1969年2月10日
Published Date 1969/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202552
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理想の救急診療
救急を要する患者が発生したとき,まずもよりの第一線診療所で止血,包帯,強心剤投与,酸素吸入などの初療を行ない,重症者は救急センターに送って手術または重点的治療を実施した後,1カ月以上も入院加療を要するものはリハビリ・センターに収容し,さらに不具廃疾となり一生医療を要するものは,しかるべき施設で療養させるという一貫した体系が必要である.この体系の中心となる救急センターは臨床各科を備えた総合病院であって,重症診療室(ICU, CCU),高圧酸素治療室,重症患者監視装置,レントゲン診断室,手術室,検査室が完備し,医師,看護婦,技術者,事務員が四六時中待期していなければならない.
また救急患者に対して,適当な診療を行ないうるには地域の限定があって,第一線診療所,救急センターの配置を適正にし,診療機関の間の患者移送のための道路,輸送具を整備し,それらに適切な指示を与えうる司令機関が必要である.
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