講座
妊娠と心臓
大鈴 弘文
1
1東京警察病院内科
pp.41-45
発行日 1959年4月1日
Published Date 1959/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201666
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1.妊娠と血液循環
妊娠は生理的現象ではあるが,血液循環に大きな負担がかかることを誰しも常識的に知つている.
妊婦では心臓に故障がなくても,いきぎれ,どうき等を訴え,脚にはむくみがくる等の心臓病と同じ自覚症を訴えるものがかなり多い.妊娠後半期に入ると子宮底は上り,横隔膜を下から押し上げ,その運動を制限するようになる.心臓は基部で固定され横隔膜の上に載つているので,横隔膜が高くなると横に臥た形となり,心臓から出てゆく大動脈及び心臓に血液を送り込む大静脈は多少ねじれるようになる.
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