治療経験から
思春期ノイローゼの治験
小島 信一
pp.1370
発行日 1968年11月10日
Published Date 1968/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202452
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症例 女子高校3年生,主訴:睡眠障害,焦躁感.初診2月28日.1)家族歴—両親,弟の4人暮らしで,家内工業を経営する中流家庭の子女.生活に心配はないが,最近仕事の関係上引っ越したため,以前書斎を個室として所有していたが,弟と2人,共同の部屋に起居しなければならなくなった由.2)現病歴2月中旬より毎夜天然色の夢を見続け,しばらくまどろむ程度の断続睡眠しか得られず,ために頭痛,焦躁感,食思高度不振,るいそうなどの随伴症状をきたしたという.
3)初診時所見—摘記すれば尿所見,血算,胃液検査により,腎盂炎,過酸性胃炎,貧血を認めた.その他,眼瞼振戦,腱反射亢進,軽度の肝機能障害などの病像を得た.よってただちに従来どおり医療を開始したが,3月20日になっても主訴が好転しないので,催眠治療を実施することとした.
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