統計
癌死亡の現状
菅沼 達治
1
1厚生省統計調査部
pp.915
発行日 1968年8月10日
Published Date 1968/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202313
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昭和28年以降,死因順位の第2位を続けている癌死亡は,昨年は11万2450に達し,このところ3年間約3000近くの増加をみせています.癌死亡の重要な問題は,社会的にも,また家庭的にも中心となる40-59歳の年齢層では,第1位の死因であり,これらの人々の死亡のうち4人に1人は癌によるものであります.
わが国は,消化器系の癌死亡が多いことは周知のとおりですが,米英の約2倍の死亡割合を示しています.表によって死亡の多い順にみますと,男では胃が全体の半数近くの48.6%,これに次いで,肝臓・肺が約10%を占めています.死因統計では,原発部位の統計をとることにしていますが,肝臓の約6割は他にかくれた原発部位があると考えられます.これらに次いで食道・直腸・白血病などがあげられます.女でもやはり胃が37.3%を占めてもっとも多く,ついで子宮・肝臓・肺・乳房・直腸などとなっています.米英においては,男では肺がもっとも多く,性器・胃などがこれに次いでおり,女では乳房がもっとも多く,次いで小腸・大腸が10%をこえており,わが国とは異なった様相がみられます.
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