統計
自動車事故による死亡
菅沼 達治
1
1厚生省統計調査部
pp.641
発行日 1966年5月10日
Published Date 1966/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201291
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自動車事故による死亡は,疾病とは違つてなんの前ぶれもなく一家の支柱を,またいたいけな幼児を失う悲惨さをもつものであり,1人の死亡のかげには約30人の負傷者が存在し,そのうち何人かは一生ぬぐうことのできない機能障害を残すものであります。
図には人口10万対の死亡率の動きを示しましたが,わが国は自動車の普及に伴つて死亡率も急速な上昇を示し,すでにイングランド・ウエールスを抜いている現状です。昭和40年は15.9と推計され,前年と比べると死亡数にして約1000人の減少が見込まれています。なお,この図は人口に対する死亡率であり,世界でも最高のグループに属するオーストラリア,西ドイツ,アメリカなどとは,なおかなりの差がみられますが,自動車10万台あたりの死亡数は,日本の265人に対して,西ドイツ168人,オーストラリア110人,イングランド・ウエールス78人,アメリカ63人と,わが国が群を抜いていることが注目されます。
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