統計
白血病の死亡(1)
菅沼 達治
1
1厚生省統計調査部
pp.1077
発行日 1968年9月10日
Published Date 1968/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202362
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白血病に関する全国的規模の疾病統計は,昭和33年に実施した第一次悪性新生物実態調査(9月・10月中に全国の一般病院を退院した患者について行ないました)がありますが,これにはあまり詳細な観察はみられず,また毎年実施している"患者調査"でも,白血病として単独に集計されておりません.さらに現在種々の化学療法が試みられ,その生存期間の延長がみられておりますが,なお致命率のきわめて高い疾患でもあり,また内科的治療のみが行なわれるものでもありますので,人口動態統計によって,白血病死亡の現状を記してみたいと思います.
白血病の死亡は,男では癌全体の3.0%で第6位,女では2.9%で第8位であります.昭和42年の死者は3,288であり,人口10万対男3.6,女2.9となっています.図に示しましたように毎年規則的に増加して,15年前の2倍に達しました.これは粗死亡率でありますが,胃癌などと死者の年齢分布が違うため,前号に記しました訂正死亡率による観察は,かならずしも必要ありません.最近における増加は男女が平行しており,かつては女を100とした死亡率性比は150前後でありましたが,昭和32年を境として130前後に安定しています.
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