統計
医師の死亡
菅沼 達治
1
1厚生省統計調査部
pp.1379
発行日 1966年10月10日
Published Date 1966/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201487
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わが国の人口動態統計には職業別の死亡統計がありますが,医師だけを抜き出した統計は,ここ10数年間集計されておりません。そこで昭和39年1月から9月までの全国の死亡票約50万枚のうちから医師の死亡票を抽出しますと692枚となつております。このうち女子は22,33歳未満の男子2であり,ここでは30歳以上の男の医師の死亡668について観察することにします。
この668名の死亡をもとにして,1年間の死亡数を推計しますと約920名になります。ここで医師の死亡率を一般国民の死亡率と比較するわけですが,医師の基礎人口は,医師法にもとづいて毎年末現在で医師の方々に届出をお願いしている「医師・歯科医師・薬剤師調査」の結果をもちいることにします。この調査はかなり完全性の高いものでありますが,きわめて高齢の方で,すでに無職となつている医師などに多少の届出もれのあることも考えられます。したがつて,表にかかげた死亡率よりは,医師の場合は多少低率となることが考えられます。30歳以上の総数では医師は一般国民よりも33%の低率であり,これを年齢別に比較しても,どの年齢層でも医師のほうが低いことが認められます。とくに30歳代の若い医師は一般国民よりも4〜5割低率であることがめだちます。それ以後の年齢でも,1〜3割低率となつています。
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