グラフ
腱反射のみかた
山口 員男
1
1群大鴫谷内科
pp.559-562
発行日 1968年5月10日
Published Date 1968/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202198
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腱反射は,筋伸展反射(Muscle-strech reflex)または別名,筋平衡反射(Myostatic reflex),自己受容反射(Proprioceptive reflex),あるいは固有反射(Proper reflex,Eigen reflex)ともいわれている。臨床的には深部反射という言葉で表現されていることが多い。すなわち,筋を伸展すると,筋紡錘(Mu-scle spindle)から出るインパルスが,その筋を支配する運動ニューロンへ単シナプス的に作用して起こる反射で,したがつて受容器と効果器とが同じわけである。伸展反射の代表的な反射は,膝蓋腱反射,アキレス腱反射などであるが,特に重力に対抗して姿勢をたもつている筋(抗重力筋,主として伸筋)にはよく発達している。
膝蓋腱反射における反射弓のシェーマは図1のごとくで,打腱器で伸展刺激を加えると筋紡錘からのインパルスがGroup Ia線維を上向し,その筋を支配している運動ネウロン(α運動ネウロン)へインパルスが伝達され神経終板を通つて筋肉が収縮し反射が起こる。また,筋紡錘は,γ運動細胞から出るγ運動神経線維によつて遠心的に支配を受けている。したがつて腱反射は,α運動系とγ運動系の機能状態を反映することになる。最近は運動系をこの二つに分類して論ぜられている。
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