症例
比較的若年にみられた肝門部胆道癌の一剖検例
高橋 忠雄
1
,
伊豆蔵 利明
2
,
越川 弘
2
,
石川 昭
3
1慈大・高橋内科
2慈大・内科
3慈大・病理
pp.1047-1051
発行日 1967年7月10日
Published Date 1967/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201861
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原発性の肝外胆道癌については,Durand-Fardel, Schueppel以来その報告は数多い。しかし観血的方法あるいは剖検による以前に明確な臨床的診断を下すことは困難な場合がかなり多いようである。ことにその病変が肝門部にある時は,部位的関係からみて観血的方法によつてさえ病変部位の確認が困難で看過されやすい。最近は肝門部胆道癌として肝内の太い肝管に原発する肝内胆道癌が注目されてきているが,著者らは最近,臨床経過の上からは良性の胆道狭窄を思わせる時期がかなり長く先行し,かつ,たまたまその病変が肝門部に限局した肝外胆道癌であつたために,観血的方法によつてもその病変部位を確認し得ず,診断に迷つた一症例を剖検し,興味ある二,三の知見を得た。
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