ファースト・エイド
眼の異物
加藤 格
1
1関東逓信病院・眼科
pp.992-993
発行日 1967年7月10日
Published Date 1967/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201847
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まず注意すべきこと
眼にごみが入つたという訴え,すなわち"眼の異物"といつてもさまざまである。かるいのは道を歩いていたら風が吹いてきて砂ぼこりが入つてしまつたというものから,おもいものは工場で鉄片がとんできて眼球を貫いて眼窩にまで達しているといつたものまである。軽重さまざまではあるが,いつたん"眼の異物"という訴えで診療にあたるさいにまず念頭においてほしいのはつぎの2点である。
第1はその異物が眼球外壁(角膜,強膜)を貫いたいわゆる穿孔性異物ではないかということである。穿孔性異物は予後がたいへん不良で,これには異物の大小,患者の苦痛の程度はあまり関係しない。とくに一見して異物が見当たらないときには穿孔しているのではないかと疑つてかかることを忘れてはならない。
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