臨床メモ
しもやけの処置
高島 巌
1
1北大・皮膚科
pp.108
発行日 1967年1月10日
Published Date 1967/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201638
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しもやけは2つの病型に分けられる。多くは多形滲出性紅斑様の.隆起した紅斑を多発するものでM型とよばれ,主に小児にみられるのは,手足全体がチアノーゼを呈して樽柿状に腫脹する型でT型とよばれる。いずれも温ためると痒い。両型とも,サルコイドージスの一型である凍瘡様狼瘡や,急性播種状紅斑性狼瘡と鑑別する必要があるので,皮膚科医の診察を受けるのが望ましい。
しもやけには,治療に先立つ手の保護を厳重にすることが大事である。すなわち,発症の季節には,厚い手袋・靴下を用いさせ,寒冷に曝露することを避けること,履物は通気性のよいものを用い,ゴム靴などを長時間はく時には,足がむれないうちに靴下をはき代えること.木綿の靴下を用いることなどである。戸外から室内に入つた時には,急に温ためず,十分にマッサージをしてから暖をとることが必要である。水仕事の後には,乾いた布で十分に拭いたあと,同様に摩擦をする。
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