発行日 1953年2月15日
Published Date 1953/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907239
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ひび・あかぎれ
冬季寒風にさらされた手,足,頬等が鬱血性になり乾燥して落屑があり,處々に爪痕,血痂等がついている状態をひびと云い,それに皹裂を生じたものをあかぎれと云う。その本體は一種の落屑性濕疹である。寒風の刺戟のためにおこるもので,特に汗や水でぬれた皮膚が寒風にあつて,水分が急激に蒸發して皮温を奪い去られるときに發生する。
豫防及び治療法としては,手袋,足袋等で寒風から皮膚を保護する。次に洗濯その他水仕事をした後にはすぐ乾いた布で充分ふきとり,色々な油脂,軟膏類を塗布する。それにはウイルソン氏パスタ等もよいが,親水軟膏,吸水軟膏等を使えばベトベトしないで使い心地もよい。消毒藥などを手につけたままにして置くと,その刺戟も加つて症状がひどくなることがあるからよく洗い落してから上記の藥を塗擦する。あかぎれのひどいときにはピツク氏硬膏,或はヘブラ氏軟膏等もよい。
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