野口英世の生誕90年
野口英世を偲ぶ
志賀 潔
,
高橋 功
pp.1590-1593
発行日 1966年11月10日
Published Date 1966/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201553
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まえがき
8年ぶりにランバレネから帰国して,書類を整理していると,手紙の裏にはしり書きした原稿が見つかつた。細菌学者評伝と頭書きして,野口英世と題してある。裏をかえしてみると,東北大眼科教室の便箋に林雄造教授が私の就職についていろいろ心配してくださつた文面がある。これには日付がないが,ほかの学兄,故小島修吾からのが11月5日,義兄渡辺綱彦からのが12月4日となつている。それは私が帰還復員した年すなわち昭和21年である。
当時75歳の叔父志賀潔は自叙伝を整理するために,口述し,それを私に筆記させた。その出版を,ある事情で思いとどまつたが,この評伝「野口英世」はそれに付するつもりだつた。行間に青鉛筆で叔父が書き加えたあとがあり,私にはきわめてなつかしいものである。
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