私の本棚
自著に偲ぶ
相澤 豊三
1,2
1東京立川病院
2慶大
pp.1495
発行日 1973年11月10日
Published Date 1973/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204987
- 有料閲覧
- 文献概要
私の家には書架というべきものはないが,各部屋に雑然と書物がおけるような棚がいくつかある.内科の分野は広いからおのおの専門別に大まかに並べてあるが,他科の書もあり,また医書以外のものも含まれており,これに学会誌まで加えると,ほかの人が見たら乱雑極まりなく感じることであろう.しかし自分には乱れがすなわち整いであり,それを便としているから,家人にも手を触れさせないようにしている.書物のために掃除ができないと妻は大袈裟に歎いている.
ある先輩の家を訪ねたら,コンクリートで基盤をしっかり固めた立派な書庫を北側に持ち,いわゆる勉強室なるものを隣りの南側において優雅に書を読んでいた.私の家の一部屋にあのようにぎっちり本をつめたら,あっという間に床が抜け落ちてしまうであろう.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.