特論
野口英世博士の業績—生誕100年を記念して
渡辺 武彦
1
1日本歯科大学細菌学教室
pp.922-924
発行日 1976年11月1日
Published Date 1976/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201663
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今年は野口英世博士の生誕100年にあたる.
1928年(昭和3年)アクラにおいて51歳余の生涯を閉じるまで,野口博士の足跡,特に細菌学領域の研究に残したものは大きい,1901年蛇毒の研究にはじまり,梅毒の血清診断法,梅毒病原体Treponema palli—dumの純培養,麻痺性痂呆,脊髄癆の組織中からTreponema palli—dumを検出し,同疾患が梅毒性疾患の晩期型であることの証明,各種スピロヘータの培養およびスピロヘータの分類の基礎を確立したこと,さらには黄熱の病原体,オロヤ熱,ペルー疣病,トラコーマの病原体の研究など多岐にわたり,公表した業績は27年間に約200編,これは驚異に値するものである.
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