正常値
日本人の性年齢別基礎代謝
中村 正
1
1弘前大・公衆衛生学
pp.1468-1470
発行日 1966年10月10日
Published Date 1966/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201514
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基礎代謝熱量(以下基礎代謝量)は他の生理機能値と同様にかなりの個人差があり,また同一人でも日によつて5%程度の変動がある。一般に基礎代謝が体表面積によく相関する事実から(ただし熱帯では体重との相関が大きいとするGalvao1)の説もあるが),単位体表当たり値で標準値が示されていることはいうまでもない。
ところがこの場合につぎのような問題がある。基礎代謝測定実験の結果を,x軸に体表面積を,Y軸に実測代謝値をとってプロットしたとする。そこで,休表面積xと代謝yとの間に高い相関関係が認められたとしても,かならずしもxに対するyの回帰直線が座標の0点をとおるとはかぎらない。しかるに,基礎代謝量を体表当たりで表わすということはy/x=Constant,すなわち測定値の分布が全員平均点(x,y)と0点とを結ぶ直線に沿つていることを前提とした表わしかたである。厳密には,実験値をもととして,標準値は体表面積値に対する基礎代謝絶対値の回帰方程式(y=ax+b)のかたちで表わすべきである。
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