グラフ
痛風の臨床
吉村 隆
1
1東大・物療内科
pp.1382-1383
発行日 1966年10月10日
Published Date 1966/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201489
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痛風はいまやありきたりの関節疾患といえるが,いまだにリウマチと混同されたり,瘭疽,蜂巣織炎などの感染性疾患に誤診される場合が多い。ここでは診断に必要な特徴ある臨床像を示したが,性別,発病年齢,遺伝,体質,食習慣なども診断の助けになる。痛風は尿酸代謝異常により高尿酸血症を示し,慢性かつ進行性の全身病で,放置すれば腎不全,脳血管障害などの合併症が直接の死因となる。しかし早期に診断し,適切な治療を継続すれば病気の予後は極めて明るい。治療はcolchicine,phenylbutazoneなどで急性発作をすみやかに抑制し,probenecid,sulfinpyrazoneなどの尿酸排泄剤で代謝異常を改善せしめるが,最近ではHPP,BCPさらにα-ketophenylbutazoneなどが登場し,病勢コントロールはますます容易になつてきた。
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