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医師の技術差
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pp.1319
発行日 1966年9月10日
Published Date 1966/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201476
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問題の所在 日本病院協会と健康保険組合連合会が先般公表した医療保険制度の改善案には,いずれも初診料などに差額をもうけ,名医とそうでない医師の区別をすることが提案されている。
現在の保険医療で医師の技術差が問題とされるのは,(1)現在の診療報酬点数表では,一つの診療行為については一つの点数しかきめられていないため,経験が深く,腕のよい医師も,経験の浅い医師も,行なつた診療行為が同じならば同じ報酬しか支払われない,(2)現在の診療報酬支払方式が出来高払いのため,適確な診断をして,早くなおす医師が受けとる報酬のほうが相対的に少なくなる,(3)医師の収入は技術よりもむしろ稼動量の差に応じて変わり,30歳前後の医師の収入がもつとも多く,一般に医師として円熟する年齢層の収入が,かえつて少なくなること,などによるものである。
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