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人間を診る心構えがたいせつ—公立学校共済組合近畿中央病院長 前大阪市立大学教授 小田俊郎氏に聞く
長谷川 泉
pp.682-683
発行日 1966年5月10日
Published Date 1966/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201308
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後悔はむしろ不勉強なことを
長谷川 医学を志された動機とか医学以外の途をもしあゆんでいたら,とかいうお話しから伺いたいのですが。
小田 僕が中学に入つたのは明治39年だから日露戦争の後で,法科か軍人の時代でした。身体も弱かつたし軍人にはなる気もなく,法科にもどうも自信がない。父親も祖父もおじたちも医者系統だし,母方も医者だつたのです。そこへもつてきて,明治43年だつたか大阪に大火があつて,当時の府知事が新聞でひどくやられた。処置が悪いといつてね。知事みたいな偉い人でもやつつけられる,これでは法科はいよいよだめだとあきらめて,ふらふらと医科へはいつてしまつた。
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