話題
第3回思春期医学シンポジウムから
茂手木 皓喜
1
1東大・中央検査部
pp.467
発行日 1966年4月10日
Published Date 1966/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201245
- 有料閲覧
- 文献概要
思春期における諸問題を各専門領域から総合的に研究,討論するための本学会も今年で3回目を迎えた。各回とも一般演題のほかにシンポジウム演題を決め,第1回目は"身体の成長発育",第2回は"思春期のアクセル化とその身体的ならびに精神的影響"について討論した。そして戦後の傾向である思春期年齢の発育促進と年齢低下の現象について各領域よりの実態が紹介され,その対策についても示唆が得られ一応その目的を達した。また一般演題で非行少年の問題が大いにとりあげられ,その対策は今後の課題となった。第3回目は"思春期における皮膚疾患"をそのシンポジウム演題とした。以下第3回目の演題中からいくつかを抄録してみたいと思う。
中山(東大産婦人科)は,女子骨盤発育について,骨盤および長管骨とestrogenの関係を卵巣の組織変化を参考にし検討し,骨盤の発育とestrogenとは密接な関係にあることを述べた。辻(群大公衆衛生)は最近増加しつつある肥満児の生態について報告した。それによると,性別,年齢別体重の平均値から+20%以上のものを抽出し(小学生224名,中学生159名,高校生26名,大学生3名),身体計測,運動能力,学習態度,食生活,家族的素因などを調査し,肥満児は都会に多く,健康管理ならびに体育指導上の問題があることを明らかにした。そして僻地では肥満児は皆無で,むしろるいそう児のほうが問題であることを示した。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.