学会印象記
第6回国際発達障害シンポジウム
有馬 正高
1
1国立精神・神経センター武蔵病院
pp.601
発行日 1994年6月1日
Published Date 1994/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900653
- 有料閲覧
- 文献概要
生活環境が多彩になるにつれて,さまざまな物理的要因や化学的物質にさらされる機会が増加している。とりわけ,活発な細胞分裂や細胞移動を特徴とする胎芽や胎児の脳に特別な外因が作用すると,出生後の暴露とは異なる影響があり軽重さまざまな機能の異常が発生する。
この国際シンポジウムは数年ごとに行われてきたが,今回(1993年11月18日,19日,東京明治記念館,組織委員長:関 亨,主催:日本小児神経学会,精神神経科学研究振興財団)は「出生前の環境要因による中枢神経障害」を主題として,外因による先天性脳障害の実態について堀り下げた議論が行われた。プログラムは,招待者の特別講演4題と,原因別に分類したミニシンポジウム4課題,および,全般的な内容を統合した課題から構成され,日本と海外からの参加者の発表が相半ばしていた,筆者が特に興味をもった点について触れる。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.