話題 二つの国際会議に出席して
「第11回国際リウマチ学会」国連WHO主催 「リウマチ専門医教育・訓練会議」
佐々木 智也
1
1東大物療内科
pp.420
発行日 1966年3月10日
Published Date 1966/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201236
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4年に1回開催される国際リウマチ学会は1965年12月5日より10日までアルゼンチンのマル・デル・プラタという海水浴地で行なわれた。日本よりは国内での会長,東北大 杉山尚教授をはじめとし、慶大 三方一次教授,東大大島良雄教授,順天堂大 塩川優一教授,東京医大 大高裕一教授,九大 矢野良一・教授など総勢20人の参加者があり,南北アメリカ以外では200名を多少超える程度の出席者の10%にも当り,日本人が目立つ学会であつた。日本人の学会活動もなかなか盛んで,座長,副座長を5名が勤め,国際学会の常任理事にも当選し,ようやく日本のリウマチ学も認められ一人前になつた。
学会でのトピックは数年前よりアメリカのHollanderが存在を主張している関節液中のRA細胞が,はたして慢性関節リウマチに特異的であるか否かの議論にあつた。結論を出すには早いが,私の意見ではLE細胞程の特異性はあるまいと思つている。新しい発表としては,カルフオルニア大学より出たもので,ステロイド治療下にみられる骨端の無菌壊死は脂肪エンボリーであるとの説で,みごとな標本が示された。これにも討論が集中し,たまたまそのような例があつたとしても全例に該当するか否かが問題にされている。
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