症例
緑色腫を思わせ,著明な腹部膨満を示した—Ganglioneuroblastomaの1例
星 昭二
1
,
真具 晃
2
,
小関 要
3
1国立栃木病院研究検査科
2国立栃木病院小児科
3国立栃木病院内科
pp.1389-1393
発行日 1965年9月10日
Published Date 1965/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200994
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いとぐち
近年,抗生物質の研究,進歩により,感染症のために死亡するものは,成人のみでなく,小児においてもかなり減少をきたし,悪性新生物によるものが,死因統計のうえで,上位を占めるにいたつている。そのために,小児の悪性新生物に関する研究・対策が,しだいに重要視されてきている。
小児の悪性新生物は,成人のそれに比して,かなり異なり,白血病,脳腫瘍,神経芽細胞腫,Wilmsの腫瘍などが多く,特長的のものである。Dargeon1)によると,年々,小児の悪性腫瘍は,増加をきたし,これらのなかで,神経芽細胞腫は重要な部位を占めているといわれている。われわれは,臨床的に著明な,腹部膨満,骨転移像を示し,組織学的には,一部に神経節細胞腫を認めた神経芽細胞腫の興味ある例を剖検する機会をえたので報告する。
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