臨床實驗
緑色腫の1例
藤永 豊
1
1鳥取大學醫學部眼科學教室
pp.15-20
発行日 1954年1月15日
Published Date 1954/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201709
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緑色腫は主として幼少の男兒を侵し,迅速な經過を辿り死の轉帰をとる極めて惡性の腫瘍を骨膜外に形成する稀れな疾患である。本症の記載では我が國では林1)の報告以來相當例の報告があるが本態に就ては未だ定説がない。菅沼2)に依れば,淋巴及び血液形成機關の特殊な疾患に際し,骨體或は淋巴組織の破壊が原因であつて,腫瘍は2次的なものであるとしている。血液像が特有であつて,白血病の特殊型とも考えられている。さらに特徴とすろのは眼球が侵されている事である。
私は本症の1例を經驗し,剖検に依り組織學的に検索する事が出來たので茲に報告しよう。
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