診断のポイント
尿素窒素の高いとき
柴田 進
1
1山口医大・臨床病理
pp.1174-1176
発行日 1965年8月10日
Published Date 1965/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200939
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問題にしなければならないのは
血清尿素N(窒素)濃度の正常値上限を15mg/dlとし,それ以上を尿素N濃度の増加とみなすことにすれば,高尿素N血症は臨床検査室(化学部門)で取り扱う血液資料7個について1個の割合で遭遇するところのごく平凡な病的現象である。
ところが高尿素N血症の8O%までが尿素N濃度20mg/dl以下の症例である。このようにごくかるい高尿素N血症は病気の経過中に一過性に出現するもので,ことに病院に入院した当初の問処置を受けずにいる患者に多い。2回目の検査を数日後に実施してみると尿素Nは正常範囲に戻つている。
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