統計
悪性新生物の罹患率
滝川 勝人
1
1厚生省統計調査部
pp.40
発行日 1966年1月10日
Published Date 1966/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201130
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全国民の悪性新生物罹患の実態を把握することは,なかなか容易なことではありません。厚生省が昭和33年および35年に実施した「悪性新生物実態調査」においても,ごく一部の対象について調査が行なわれたにすぎません。したがつて,今後国として悪性新生物の罹患率を推定するためには,現在すでに数府県において行なわれておりますがん患者登録を,全国的な規模で行なうことも一つの方法と思われます。
世界的には,がん患者の登録活動はすでに今世紀初頭より,行なわれており,現在かなりの国あるいは地域において,その罹患率が算定されております。近着のWHOの資料よりこれをみますと(以下若干年次の違いはありますがすべて人口10万対の率であらわします。)カナダ(オンタリオ)136.9,デンマーク303.9,アメリカ(コネチカット)345.0,チェッコスロヴァキア242.3,フィンランド224.9,ドイツ(ハンブルグ)301.6,ハンガリー179.6,ノールウェー225.3,スウェーデン274.9,イングランド・ウエールス234.7,ユーゴスラヴィア208.2,オーストラリア173.9,ニュージーランド190.4となつており,各国あるいは地域の間にかなりの差がみられます。また,これらのうち一部の国の患者について,性別にその部位別百分率をみたのが表であります。国により,性により,それぞれ特徴があり,興味深いものがあります。
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