治療のポイント
弁膜症患者の生活指導
広沢 弘七郎
1
1東京女子医大・心臓血圧研究所
pp.220-222
発行日 1965年2月10日
Published Date 1965/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200690
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不治であること
弁膜症と一口にいつても,種類がいろいろあり,それぞれの種類にまた重症度の差が加わる。そのすべてに共通していえることは,少なくとも内科的治療では不治の弁変形を持つており一生治らないこと,およびそのような弁変形に原因するか,またはリウマチ性心筋炎によりいたんだ心筋があり,この心筋病変もまた不可逆的であること,さらに弁変形・心筋病変ともに悪化の可能性をはらんでいることである。ひびのはいつた茶碗というたとえがよく使われる。突然割れる危険が強くひびいて,あまり良いたとえだとは思わないが,不治であることは良く現わしている。この不治と悪化の可能性を患者に納得させるとともに,一方ではその患者にとつて人生の幅がなるべく広く,将来が明るいものであるように指導しなければならない。
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