治療のポイント
皮下出血
安部 英
1
1東大内科
pp.217-219
発行日 1965年2月10日
Published Date 1965/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200689
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はじめに
皮下出血はいうまでもなく皮下の組織内で,血液が血管の外に出てきた状態であるが,その出血部位が比較的浅い皮下脂肪や結合織である場合は,体の外表面からその出血を認めることができるが,出血部位がもつと深い筋肉や腱,あるいは骨膜や骨の部分であれば,時にはその出血の存在を認めにくいこともある。即ち出血の起こつた部位によつて,色,膨れ方,境界線,発熱,あるいは痛みなどの様子が異なるが,しかしいずれにしても血管が破綻して内部の血液が外に出たものであり,またこの破綻がなかなか修復され難くて,いわゆる止血機構に障害の起こつている場合である。したがつて,この皮下出血の治療は,それを外表面から認めることのできるか否かにかかわらず,とにかくそのような出血機序を進めている要因を掴み,これに対して適切な処置をとることが先決である。
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