グラフ
痛風
野田 茂寿
1
1東大物療内科
pp.174-175
発行日 1965年2月10日
Published Date 1965/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200677
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痛風はわが国では古くから稀な疾患とされてきたが,近来とみにその症例が増している。わが教室でも百数十例を経験した。関節リウマチの約3%前後の頻度で存在すると考えられる。診断は決して困難でなく,ただこの病気があるということさえ知っていればよいといわれる。男での好発,中年以後の肥満した体質,中足趾関節などの特徴的な侵襲部位,6mg/dlを越す高血漿尿酸値,これに痛風結節内容の針状の尿酸塩結晶が診断を決定させる。
本症の尿酸代謝障害は体内での核酸系の最終分解物としての尿酸,体内での合成にかかるものおよび食餌由来のプリン系物質,これら3つの経路における異常にもとづく。本症で致死的となるのは腎障害によることが主である。
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