増刊号 CT・MRI—“戦略的”活用ガイド
症状別検査オーダーのポイント
胸部
神山 久信
1
,
大野 良治
2,3
,
杉村 和朗
1
1神戸大学大学院医学研究科内科系講座放射線医学分野
2神戸大学大学院医学研究科先端生体医用画像研究センター
3神戸大学大学院医学研究科内科系講座放射線医学分野機能・画像診断学部門
pp.148-162
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200059
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胸部領域の画像診断において,胸部単純写真は低いX線被曝の有用性があり,病変の全体像をより直感的に示すことができることから,日常臨床においてなくてはならない検査である.しかし,微小病変の検出は困難で死角も多く,胸部単純写真のみでの診断には限界がある.初回の胸部単純写真や経過観察中に新規病変の出現などがあった場合は胸部CTでの精査に進むことが多い.
画像診断は日常臨床に大きな役割を果たしているが,一方で画像診断のみで診断できる疾患は少ない.常に臨床症状や臨床所見,他の臨床検査,そして画像検査との総合的な判断により診断していくべきである.本稿では,胸部結節・腫瘤影,胸痛,慢性呼吸器症状などを対象として,症状別検査のオーダー時のポイント,画像レポートを含めた臨床医と放射線科医の円滑な情報の共有に役立つ知識について述べたい.
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