連載 神経診察の思考プロセス 一般内科外来のカルテから・12
数カ月の経過でADLが落ちてきた片麻痺の男性
大生 定義
1
1立教大学
pp.526-529
発行日 2014年3月10日
Published Date 2014/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107385
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症例:桐野良雄(仮名)69歳男性
2年前に脳梗塞で当院神経内科に入院し,右片麻痺のため直後は歩行困難となったが,リハビリテーション病院に転院し,杖なしで歩行,家での生活も自立し,発症後4カ月で退院となった.その後のフォローはかかりつけ医で行われ,抗血小板薬,降圧薬などの処方は継続していた.朝早く起きて近くを散歩するようになっていたが,半年前から歩行がゆっくりとなり,日常の動きも緩慢になり,また転倒しやすくなった.身の回りのことにも介助が必要になり,気持ちが落ち込むことが多くなった.かかりつけ医に相談したところ,年齢的な体力低下かもしれないと言われた.家族(息子の嫁)は,衰えがみるみるうちに進行しているので心配し,一般内科に患者と一緒に相談に来た.
問診票の診察前の血圧120/70mmHg,脈拍76回/分 整,体温35.8℃.
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