連載 皮膚科×アレルギー膠原病科合同カンファレンス・24
ステロイドの効かない関節炎
岡田 正人
1
,
衛藤 光
2
1聖路加国際病院アレルギー膠原病科(SLE,関節リウマチ,小児リウマチ)
2聖路加国際病院皮膚科
pp.530-534
発行日 2014年3月10日
Published Date 2014/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107386
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
後期研修医(アレルギー膠原病科) 今回は3カ月前から関節炎がある35歳の男性です.3カ月前に38℃の発熱と右足関節炎から始まり,その後に両膝,右肘の関節痛も生じたため近医受診しています.診断は明らかではありませんが,シプロフロキサシン200mgを1日2回とプレドニゾロン45mgを処方されています.3日後にはCRPは25.19mg/dLから5.37mg/dLに低下しましたが,プレドニゾロン30mgに減量され,5日後には関節炎の再発と皮疹の出現をみています.その後,大学病院に紹介されプレドニゾロンは20mgに減量し,非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を併用されていますが改善は十分得られず,1カ月後に当科に紹介受診されています.
アレルギー膠原病科医 受診時には,両側の手関節炎,膝関節炎,足関節炎,腰痛と皮疹がありました.早期に診断のめどをつけて治療を調整する必要性がありましたので,即日に皮膚科にもコンサルトさせていただきました.小関節が侵されていない慢性関節炎ですが,抗菌薬とステロイドの併用によって臨床像が修飾されている可能性があり,淋菌性関節炎,乾癬性関節炎,反応性関節炎,心内膜炎などが鑑別に挙がっていました.腱付着部炎を示唆するような所見はなく,乾癬のリスク因子となるような体重過多もありません.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.