Japanese
English
研究と報告
片麻痺患者の座位特性とADL能力―麻痺側による違い
Characteristics of sitting position and activity of dairy living in hemiplegic patients:Differences by the paralysis of stroke.
岡安 健
1
,
三谷 祥子
1
,
小川 英臣
1
,
森田 定雄
1
,
加藤 宗規
2
,
網本 和
3
Takeshi Okayasu
1
,
Sachiko Mitani
1
,
Hideomi Ogawa
1
,
Sadao Morita
1
,
Munenori Katou
2
,
Kazu Amimoto
3
1東京医科歯科大学医学部附属病院リハビリテーション部
2了徳寺大学健康科学部理学療法学科
3首都大学東京人間健康科学研究科理学療法学域
1Department of Rehabilitation Medicine, Medical Hospital of Tokyo Medical and Dental University
2Department of Physical Therapy, Faculty of Health Sciences, Ryotokuji University
3Department of Physical Therapy, Graduate School of Human Health Sciences, Tokyo Metropolitan University
キーワード:
片麻痺患者,座位特性,ADL能力
Keyword:
片麻痺患者,座位特性,ADL能力
pp.547-554
発行日 2014年6月10日
Published Date 2014/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110529
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要旨:〔目的〕本研究の目的は,座面圧力値測定システムと座位での側方リーチテスト(Lateral Reach Test in Sitting;LRT-S)を用い,片麻痺患者の静的および動的座位特性を明確にするとともに,静的座面圧と身体能力との関連を検討することである.〔対象と方法〕対象は片麻痺患者30名とした.LRT-Sは長方形の大型木製パネルを背もたれのない台に腰掛けた対象者の前方に配置して行い,座面圧測定は静止座位時およびLRT-S時に行った.〔結果〕右片麻痺群のリーチは非麻痺側が大きく,左片麻痺群のリーチは麻痺側,非麻痺側で差を認めなかった.また,左片麻痺群の静止時座面圧は麻痺側臀部が大きかった.静止時座面圧と日常生活動作(activities of daily living;ADL)との関係では,右片麻痺群の非麻痺側座面と左片麻痺群の麻痺側座面において中等度の負の相関を認めた.〔結語〕結果から,左右片麻痺患者では静的および動的座位特性が異なっていることが示唆された.左片麻痺患者の座位特性は,身体機能のみならず,多彩な高次脳機能障害の影響による「転倒に対する注意」と関連があると考えられる.また,座面圧力値測定は,評価や治療における今後の臨床応用が期待できると思われる.
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