特集 内科診療にガイドラインを生かす
血液疾患
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
冨山 佳昭
1
1大阪大学医学部附属病院輸血部
pp.310-314
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107123
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内科診療に役立つ国内外のガイドライン
ITPという用語が広く日常臨床で用いられているが,本疾患の正式な名称に関してはいまだ統一されていないのが現状である.わが国では,ITPは厚生労働省の特定疾患に認定されidiopathic thrombocytopenic purpura(特発性血小板減少性紫斑病)と呼ばれており,本稿でもこの病名を使用した.一方,その自己免疫機序が明らかになるに従い,海外ではautoimmune thrombocytopenic purpura(自己免疫性血小板減少性紫斑病),さらにはchronic immune thrombocytopenic purpura(慢性免疫性血小板減少性紫斑病)などの用語も用いられている.最近,国際作業部会(international working group:IWG)は,本疾患の病名としてprimary immune thrombocytopenia(primary ITP)との名称を提唱している1).
ITPの治療に関しては,1996年に米国血液学会より血液専門医の治療経験に基づいて作成されたITP治療ガイドラインや,IWGからのガイドラインが公開されている.2011年には米国血液学会から1996年版の改訂版としてエビデンスに基づいたITPガイドラインを公開している(表1).
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