特集 内科診療にガイドラインを生かす
血液疾患
多発性骨髄腫
河村 浩二
1
,
神田 善伸
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター・血液科
pp.315-320
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107124
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内科診療に役立つ国内外のガイドライン
多発性骨髄腫の診断・治療に関する日本,米国,英国で作成された代表的なガイドラインを表1に示す.日本では,日本骨髄腫研究会の編集による「多発性骨髄腫の診療指針」第1版が2004年に,第2版が2008年に刊行され,日本骨髄腫研究会が発展的に日本骨髄腫学会に移行し,その編集による第3版が2012年10月に刊行されている.新規薬剤(サリドマイド,ボルテゾミブ,レナリドミド)の登場や,治療効果判定基準の改変など,ここ10年以内に骨髄腫診療は著しく発展してきており,ガイドラインもその都度改訂されている.現時点において「多発性骨髄腫の診療指針」第3版は,本邦での多発性骨髄腫の診療全体を網羅した内容になっている.表1に挙げた日本,英国のガイドラインは総説形式で,臨床所見,診断,治療の章立てにより形成され,推奨ステートメントにエビデンスレベルが併記されている.National Comprehensive Cancer Network(NCCN)からのガイドラインは毎年1回以上改訂され,しかも登録さえすれば無料で閲覧できる.また,表1にはないがInternational Myeloma Working Group(IMWG)から特定の検査や治療についての個別のガイドラインがいくつかの主要な血液学の雑誌に公表されている.
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